【活動報告④】事業の成果と見えた課題(現地アンケート分析)

事業の成果と見えた課題(現地アンケート分析)
対象
受講学生/WASHOKU PARTY 参加者
調査方法
現地アンケート調査
実施期間
2024年2月〜3月

本事業の締めくくりとして、講座を受講した学生および最終日のPRイベント「WASHOKU PARTY」に参加した現地レストラン関係者・シェフ・インフルエンサー等を対象に実施したアンケート調査の分析結果をまとめました。

1. 講座に対する評価と学びの深さ

受講学生における講座全体の満足度は非常に高い結果となりました。

技術と文化の総合的な理解

調理技術の習得にとどまらず、「和食の基礎知識や食器の種類、日本の食事マナーや精神性について学べて非常に興味深かった」という意見が多数を占めました。日本の食文化に直接触れる機会を提供することで、より身近に感じてもらえることが証明されました。

現地派遣による直接指導の意義

講座内で学んだ歴史やマナーだけでなく、日本人講師陣の丁寧な所作や振る舞いそのものに感化された学生が多く、現地へ日本人講師を直接派遣して指導を行うことの大きな価値と意義が確認できました。

運営面の今後の課題

「技術を完璧に習得するには5日間では時間が足りなかった」という声や、日本語から英語への通訳によるタイムラグ(言葉の壁)を指摘する意見が見られました。次回以降は通訳時間を見込んだ精細なタイムラインを設計し、よりストレスフリーな環境を整える必要があります。

2. 日本食の受容性とインド市場における可能性

現地での日本食に対するニーズや、今後の普及に向けた有益な知見が得られました。

人気の料理と食習慣へのアプローチ

「天ぷら」と「照り焼きチキン」の人気が突出して高く、天ぷらのサクサクとした食感や、甘辛く濃いめの味付けに七味唐スパイスを効かせた照り焼きチキンは、インド人の味覚に強く合致することが分かりました。

「ベジ寿司」に見る新たな市場の可能性

生の刺身に対しては苦手意識を持つ学生が一定数いた一方で、生魚を使用しない「ベジタブル寿司(ベジ寿司)」は絶大な人気を誇りました。インドにおける宗教的・習慣的背景(ベジタリアン層の多さ)を考慮すると、ベジ寿司は今後インド国内で広く定着・拡大する可能性を秘めています。

ヘルシー思考層へのアプローチ

日本食に対しては「素材そのものの味を生かしている」「健康的でヘルシー」という好印象が定着しており、インド国内で拡大する健康志向層からの強い支持が得られると考えられます。

3. 日本産調味料の普及に向けた展望

認知度と日常利用のギャップ

多くの学生が「インド国内でも日本産の調味料が手に入ること」を認識していたものの、販売場所が限定的であることや高価格帯であることが障害となり、日常的に使用している層は限定的でした。

フュージョン料理(融合)が普及のカギ

単なる入手難易度の問題だけでなく、「和食とインド料理の味付けの違い」もハードルとなっています。今後は日本食の枠にとらわれず、インド料理と日本産調味料(出汁や醤油等)を融合させた「フュージョン料理」の提案が、調味料の市場浸透に向けた重要な切り口となります。